2009年4月2日木曜日

方程式を作ったのは誰か?

2009年はシモーヌ・ヴェイユ生誕100年とのことで書店に行ったらヴェイユコーナーができていた。カイエが置いてあったので手に取ってパラパラと見ると「方程式を作ったのは誰か調べる」みたいなことが書いてある。うむむ、誰だろう? ヴェイユは調べて結論を得たのだろうか。ヴェイユは人類が方程式を発明したことにいたく感動した。いったい誰がこんなとてつもないものを考えついたのか? 自分も調べたくなった。

日曜に図書館に行き、上垣渉氏の「はじめて読む数学の歴史」なる本を借りる。以下はこの本の方程式成立関連の要約。
古代エジプトにおいてahaの問題なる一群の問題がパピルスだか粘土板だかに書かれていた(本書の記述からは詳細は不明)。「ある量にその1/7を加えると19になる。ある量はいくらか」みたいな一次方程式の問題。同じ頃バビロニアでは二次方程式の問題が書かれていた。いずれも数式でなく文章で方程式相当の内容を記述する。古代ギリシャのDiphantus(250頃)は何度も言及する未知数をζ(zeta)と省略して書いた。他に引き算や等号に相当する省略記法を用いた。まだこの段階では文章で方程式相当の内容を記述する。
ギリシャ数学の発展と並行してインドで数学が発展し、ゼロが発見され、インドとアラビアで数学が発展する過程でアラビア数字ができる。
16世紀のイタリアでは三次方程式
x^3 + 6x = 20
Cubus p 6 rebus aequalis 20
と書いた。まだまだ文章的な書き方をする。15~16世紀のヨーロッパで徐々に現在の数式に使われる記号が作られる。フランスのRene Descartes(1596~1650)が現在とほぼ同じ方程式の記法を使う。

方程式の概念は古代エジプト、バビロニアの頃からあって、記法は多くの人々が少しずつ作って行って、デカルトがほぼ完成させた。